寝ても覚めてもキミが好き。
それでも、南は俺の言うことを間に受けていた。


慌てて、ピン留めを外して、ポケットに仕舞うと、くしゃくしゃと前髪を下ろした。


「こ、これで変じゃない?」


綺麗に隠れた白い額と、大きな瞳。



俺は、それに満足して。



「うん、可愛いよ」



って、たっぷり微笑んで南の頭を撫でた。



「ありがと」



南も嬉しそうに笑ったのを感じて、さらに俺は笑った。



だけど、南が前髪で額や、瞳を隠したって、南は可愛いんだ。
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