二回目の初恋~初恋の彼を思い出したら
いつも通りの帰り道。
いつもとちがうのは、遙がいないことぐらい。
遙がいないことの静かさを、良くも悪くも噛みしめていると、
「ーひゃぁ、」
階段を踏み外して転落……?
しなかった。
腕を誰かに強く引っ張られ、誰かにもたれかかる。
誰かに助けられた。そう判断した私は、すぐにお礼を言う。
「助けてくれて、ありがとうございました!」
頭を上げると、そこには黒いニット帽にサングラス、白い紙マスクを着けた怪しい男が立っていた。