甘酸っぱい恋の味【LOVEドロップス企画参加作品】
茶色い紙袋に入ってるレモンタルト。
カサカサと音を立てて、隼くんが取り出す。
「すげーうまそう。結衣が作ったの?」
「うん……でも、味は保障しないよー」
何て笑いながら隼くんの口に合うことを願う。
相当なタルト好きだから、おいしいタルトをいっぱい食べてるはず。
プロが作るタルトには敵わないのは分かってる。
でも……少しでもおいしいって感じてくれるとうれしい。
「食べていい?」
そう言いながらもすでに隼くんの口の中にあるタルト。
「もう食べてるし」
そう、笑ってないといられなかった。
おいしくない……隼くんはそんなこと、言わないと思う。
でも、わたしの異常なまでのドキドキは止まらない。
モゴモゴと動かす口と共に隼くんを見た。