甘酸っぱい恋の味【LOVEドロップス企画参加作品】
感謝を込めて
隼くんに隠れるように顔を背けて涙をふき取る。
こんなときに限ってとめどなく溢れる涙に余計、泣けてくる。
「結衣? どうした……」
「ううん、何でもないよ、ごめんねー思い出し泣き?」
そう言いながら、思い出し泣きなんて聞いたことないしと自分で毒づく。
わたし、最低だ。
この話の流れでこんな風に泣いて……。
隼くんを笑顔で送り出してあげなきゃいけないのに……。
というか、泣きたいのは隼くんのほうだよね?
大学を休学しなきゃいけなくなったんだもん。
わたしが泣いてどうするのよ。
泣いたって何も解決しない。
だって、もう、隼くんの中では全てが決まってるんだから……。