甘酸っぱい恋の味【LOVEドロップス企画参加作品】
「はい、これ」
「え?」
カサッと音がして見覚えのあるパッケージが目に入った。
1週間前、隼くんがくれた甘酸っぱい恋の味。
「この間、あげたのは食べた?」
「うん」
「おいしかったでしょ? オレ、ラムネの中で、いちごが一番好きなんだよね」
隼くんが袋を開けて、2粒口に入れる。
「甘いんだけど、ちょっと酸っぱくて……結衣みたいじゃね?」
「何それ」
何でわたしみたいなのよ。
隼くんの理解できない言葉に首をひねらせて、わたしもラムネを口に入れる。
あの日より少し酸っぱい味が口に広がる。
でも……やっぱり、この味がわたしには結びつかないよ。