あの日にさようなら〜君にまた逢う日まで〜
日常

変わらない日々

詩織side

「ちょっと夏樹と冬樹、早く遅刻するよー!」
「うるさいな、はいはい分かってますよ。」
「ちょっと待ってよ、しーちゃん、ふーくん!」

相も変わらずこの二人は…
せっかく呼びに来てあげたのに、冬樹はなんでこう偉そうなんだか。夏樹は情けない声出して…。

「おっそい!なんで毎朝呼びに来てあげないと行けないの!ほんとに自分たちで何とかしなさいよね。」
「誰も頼んでねぇよ…」
「なんか言った!?」
「ごめんごめん!待たせて!」

は〜…。
これがいつもの光景。
冬樹はぶっきらぼうで口数が少なくておまけに女嫌い。
夏樹は逆に明るいんだけど、ところどころ情けない上に、臆病。
で、私はこの二人の監督係、兼幼馴染(という名の腐れ縁)。
見慣れた私には分からないんだけど、どうも二人は俗に言うイケメンという種類らしい。
私にはわからないけど。
よく女子にきゃあきゃあ言われてる…。
私にはわからないけどね!
こんなふたりを幼馴染に持つとまぁ、苦労もあるわけで…
当然といえば当然なんだけどどっちと付き合ってるのかとか、どっちが好きなのか聞かれるわけで…
まぁ、いじめとかを受けてないだけマシだと思っておこう。

「なんだよ、さっきから変な顔して。元々変な顔がもっと変になるぞ。」
「はぁ!?あんたねー!」
(大体誰のせいだと…。この本性をみんなに見せてあげたいわ…。)
「なにか悩み事でもあるの?」
「別に何も無いよ〜」
「どうせ今日の晩御飯何かなとかだろ。ほんと食い意地はったやつ。」
「いい加減黙ろうか?」

まあこれが日常です、はい。
一応高校生にもなったのにな〜。
初めて会った3歳の時から何も変わってない…。





< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop