初恋の色は何色ですか?
「森山くん、おはよう」


「おはよう、三沢さん」


私の名前は三沢奈央。


そして彼の名前は森山達也。高校に入学して2年になり同じクラスになった。


いつも何気ない会話を交わしている私達。


もうこんな関係は終わらせたいんだけど...


「ねえ、森山くんってさ...好きな子とか、いるの?」


そうやって訊くと、決まって彼の心は途端に見えなくなる。まるで色がついていたものが、一気に透明なものへと変わっていくような...


「...いないよ。何で?」


そう、目を逸らされるから。


私はいつも、深くまで踏み込まないようにしていた。


「...何でも...ない、よ」


もっとあなたと仲良くなりたい。そう思うのはダメな事ですか?


って、そうハッキリ言えればどれだけ楽な事か。
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