不器用な殉愛
ルディガーが家臣達と再会できたのは、修道女と別れを告げてから二週間後のことだった。
「——ルディガー様、よくぞご無事で!」
泣き出しそうに顔をくしゃくしゃにしながら駆け寄ってきたのはノエルだ。幼い頃から、友人として、そして将来の側近候補として親しく付き合ってきた。
「もう、お会いできないものだと——」
そう告げる彼の肩が震えているのを、ルディガーは見た。自分が、戻らなかったことでどれだけ心配をさせていたのかと、改めて思い知らされる。
「遅くなってすまなかった。怪我をした俺をかくまってくれた人達のところで、動けるようになるまで養生してた」
「すぐにその者達に礼を——しかし、マクシムの手をよくかいくぐって殿下を助けてくださいましたな」
家臣の一人が、感心したような口調で言った。
「ラマティーヌ修道院だ。さすがに、マクシムも修道院にまでは手を伸ばせなかったんだろう」
「あの修道院ですか。赤髪のクラーラが今は院長だとか?」
まさか、院長の名前をここで聞くとは思わなかった。ルディガーの驚きに気付いたのか、彼はさらに言葉を重ねて教えてくれた。
「全盛期には、並みの傭兵三人分の働きをする人でした。お父上の下で働いていたこともありましたな」
「ああ、最初から俺の素性に気付いていたようだ。別れ際に、俺が父上そっくりだと言っていた——あと、この剣も譲ってくれた」
「——ルディガー様、よくぞご無事で!」
泣き出しそうに顔をくしゃくしゃにしながら駆け寄ってきたのはノエルだ。幼い頃から、友人として、そして将来の側近候補として親しく付き合ってきた。
「もう、お会いできないものだと——」
そう告げる彼の肩が震えているのを、ルディガーは見た。自分が、戻らなかったことでどれだけ心配をさせていたのかと、改めて思い知らされる。
「遅くなってすまなかった。怪我をした俺をかくまってくれた人達のところで、動けるようになるまで養生してた」
「すぐにその者達に礼を——しかし、マクシムの手をよくかいくぐって殿下を助けてくださいましたな」
家臣の一人が、感心したような口調で言った。
「ラマティーヌ修道院だ。さすがに、マクシムも修道院にまでは手を伸ばせなかったんだろう」
「あの修道院ですか。赤髪のクラーラが今は院長だとか?」
まさか、院長の名前をここで聞くとは思わなかった。ルディガーの驚きに気付いたのか、彼はさらに言葉を重ねて教えてくれた。
「全盛期には、並みの傭兵三人分の働きをする人でした。お父上の下で働いていたこともありましたな」
「ああ、最初から俺の素性に気付いていたようだ。別れ際に、俺が父上そっくりだと言っていた——あと、この剣も譲ってくれた」