いじめられっ子に恋をした
「うーん、どうしたら変われる?そーちゃん」



「丸投げ?」



「だってこういうの俺わかんないんだもん」




「僕だって女子じゃないしよくわかんないよ。まあ、とりあえずその髪を整えたら?」




「髪…」



「おお、そうだね。変わるには身だしなみからだ!早速明日美容院で綺麗にしてもらおう」




「は、はい!」




「それじゃ、俺こっちだから!そーちゃんと桃山また明日!」



そうか、僕と桃山琴子は帰る方向がほぼ同じなのか


…それにしても気まずい。



「あのっ…!」



「はい?」



「今日は助けてくれてありがとうございました。まだちゃんとお礼言えてなかったから…」



「別に君を助けたわけじゃないよ僕は。自分のために言ったんだ。」




「それでも救われました。今まで私に構ってくれる人なんていなかったから」



「いや、そうでもないよ」



「え?」



「みんないじめをやめさせたい気持ちはあったんだよ。現にほら僕らが止めた時みんな拍手して褒めてくれてたでしょ?」



桃山琴子が小さく頷く



「単に一ノ瀬に逆らう勇気がなかっただけだよ。みんないじめをやめさせたいと思ってるし君のこと心配してたんだよ…。って、え?なんで泣いてるの!?」



「ごめんなざい…。うれじぐで。」
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