いじめられっ子に恋をした
教室に入るともうすでに桃山琴子はいじめられていた




「さっそくだよ」



璃玖が不機嫌そうに僕に言った




「本当、暇なんだね。朝から」



ヒヤヒヤしながらそう返した
僕と璃玖は自分の席に着いた



するとすぐ隣の席の奴に絡まれた
「あれ?如月、今日はガリ勉じゃないの?」


ムッとして横を向くと相葉美月(アイバミズキ)がニヤニヤしながら話しかけてきた



こいつは何かと僕に絡んでくる


璃玖と同じで美月は僕にズバズバモノを言ってくる


女子にしては珍しいタイプ



ただ璃玖と違うところはこいつに言われると腹がたつということ



「うん、ちょっとすることがあってね」



「することって?」



「別に。人間観察だよ。たまにはいいだろ」



「えー、珍しっ。好きな子でもできたの?」



「違うから少し黙ってて」



「ねえ、橘君ってさ。チョコとか好きなのかな…」



「いきなりだな。知らないよ。本人に聞きな」



「ちょっと!人が勇気振り絞って質問してるのにテキトーすぎでしょ!本人に聞けないからあんたに聞いてるんでしょ




「聞いたらいいじゃんそんなこと。あっ!」
僕はいいことを思いついた


そう、相葉美月は璃玖に片想いしているのだ
その気持ちを少し利用させてもらう


「なんでニヤついてるのよ!」



「聞いてあげるよ」




「え、本当!?」




「璃玖!ちょっと来て」



「ちょっ、なんで呼ぶのよ!」



「だって、聞いてって言ったの美月じゃん」

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