いじめられっ子に恋をした
「は?何言ってんのお前」


さっきまで品の声で笑っていたとりまき女子が僕を睨みながら詰めてくる



僕はそいつには一瞥もくれず
「嫌なんでしょ。なんで言わないの?桃山琴子」




僕の意外すぎる行動にクラス中がざわつく



璃玖も何か言いたげだが驚いて声が出ない様子


「ちょっ、如月何言ってんの」



美月も止めに入る



「おいおい、正義のヒーロー気取りか?カッコいいな!」


一ノ瀬の隣にいるヤンキーのその発言にとりまきたちは大声で笑いだした




「別に桃山琴子を助けるために言ってるんじゃないよ。あくまで僕のためだ」



「は?何言ってんの」



「うるさい、品がない、下品。とにかく目障りで勉強の邪魔です。やめていただきたい」


満面の笑顔をふりまいて今まで溜まっていたストレスを吐き出した



「おい、てめえ!」


ヤンキーが殴りかかろうとしてるのを一ノ瀬が止めた



「お前…いけすかねえやつだと思っていたけどなかなかおもしれえじゃねえか」



余裕のある笑顔を僕に向ける一ノ瀬
「いや、僕はいけすかないやつで面白くもなんともないよ」



「ははっ、そういうとこだよ。面白え。でも、残念だよな。俺らと琴子は友達なんだ。俺らはただ友達として遊んでるだけなんだよ。友達としてな。なっ、琴子」



桃山琴子が下を向きながら頷く



「いや、桃山は今日は俺らと遊ぶんだよ。なっ、桃山」



ここで璃玖が入ってきた
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