冷たいあなたの秘めた愛【1/28完】
きっとこの後告白に呼び出されるんだろう。そう思ったら、たまらず会場を抜け出した。
中庭で小さな袋からある物を取り出し、ため息をはいていたら。
「こんなところにいたのか」
「え、先輩!?」
「お前が会場から出てくから。追いかけてきた」
振り返ると、走ったのか息を整える先輩が。
「どうした?具合悪くなったとか?」
「違います大丈夫です!先輩こそ、ダメですよここにいたら」
「お前はいつもそうやって強がる。……だから、目を離せないんだが」
ああ、もう。そんなこと言わないで欲しい。
「理由を言うまで帰さない」
けど、今伝えないと。
「先輩にプレゼント、渡そうと思ったんですけど。皆から貰ってるとこ見て、自信なくなって。逃げてきちゃいました」
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