不埒な先生のいびつな溺愛
「久遠くんすごいね。頭がいい人って、てっきり、分からない人に教えるのは苦手なのかなぁと思ってた。久遠くんは意外と教師とか向いてるのかも」
私は軽い気持ちでそう言ったけれど、彼は固まって目を見開いていた。
「秋原、お前、本当にそう思うのか?嘘だろ、そんなん」
そんなに重く受け止められてしまうと思ってなかったが、それでも、嘘じゃない。
「思うよ。久遠くん、教師とか向いてるよ。教え方がすっごく分かりやすいもん。ね、迷惑じゃなきゃ、また教えてね?」
「……秋原なら、迷惑じゃない」
私なら……?
その特別感のある言い回しに胸が鳴った。
「秋原は、どこの大学に行きたいんだ」
そして久遠くんから、今までしてこなかった私についての質問が初めて投げ掛けられた。
「C女子大だよ。東京の。まだ全然難しいんだけどね、一応第一志望なんだ。久遠くんは?」
「決めてない」
指定校推薦で受験すると言っていたから、てっきりもう目星はつけているのかと思ったけれど、そうではないらしい。
だとしたら本当に大学受験なんてどうでも良くなってしまった、という感じなのだろうか。
今までずっと一位をキープしていたのに、どうして?
「C女子大はね、K大の隣なんだよ。久遠くん頭いいからK大入れるかもよ。……あ、でも、そこは指定校にはないし、さすがに一年勉強やめちゃったら、久遠くんでも厳しいかも」
私は何の気なしに、彼に自分の大学に近い大学を勧めていた。言い出したあと、すぐに、なぜ私は彼に近い大学を勧めたのかと自問自答したが、上手く答えは見つからなかった。
それでも久遠くんの方は真顔で考え込んでいた。
「K大って、難しいわけ?」
そしてそんなことを聞いてきた。
「そりゃあ、超難関大学って言われてるし、難しいよ。もし私ならあと三年あっても無理だなぁ。でも教育学部は、わりと入りやすいって聞いたよ」
「教育学部……」
私は軽い気持ちでそう言ったけれど、彼は固まって目を見開いていた。
「秋原、お前、本当にそう思うのか?嘘だろ、そんなん」
そんなに重く受け止められてしまうと思ってなかったが、それでも、嘘じゃない。
「思うよ。久遠くん、教師とか向いてるよ。教え方がすっごく分かりやすいもん。ね、迷惑じゃなきゃ、また教えてね?」
「……秋原なら、迷惑じゃない」
私なら……?
その特別感のある言い回しに胸が鳴った。
「秋原は、どこの大学に行きたいんだ」
そして久遠くんから、今までしてこなかった私についての質問が初めて投げ掛けられた。
「C女子大だよ。東京の。まだ全然難しいんだけどね、一応第一志望なんだ。久遠くんは?」
「決めてない」
指定校推薦で受験すると言っていたから、てっきりもう目星はつけているのかと思ったけれど、そうではないらしい。
だとしたら本当に大学受験なんてどうでも良くなってしまった、という感じなのだろうか。
今までずっと一位をキープしていたのに、どうして?
「C女子大はね、K大の隣なんだよ。久遠くん頭いいからK大入れるかもよ。……あ、でも、そこは指定校にはないし、さすがに一年勉強やめちゃったら、久遠くんでも厳しいかも」
私は何の気なしに、彼に自分の大学に近い大学を勧めていた。言い出したあと、すぐに、なぜ私は彼に近い大学を勧めたのかと自問自答したが、上手く答えは見つからなかった。
それでも久遠くんの方は真顔で考え込んでいた。
「K大って、難しいわけ?」
そしてそんなことを聞いてきた。
「そりゃあ、超難関大学って言われてるし、難しいよ。もし私ならあと三年あっても無理だなぁ。でも教育学部は、わりと入りやすいって聞いたよ」
「教育学部……」