不埒な先生のいびつな溺愛
久遠くんはネクタイを緩めながら、また私へと沈み込んできた。

私は固く目を閉じて、彼の唇を受け入れる。

……どうしよう。今さらだけど、恥ずかしくなってきた。

こんなに勿体ぶってじらしてしまったのに、私なんてものはそんなに豪勢なご褒美にはなっていないと思うのだ。

ましてや、彼が今まで抱いてきた、幾多の美人たちには到底敵わない代物だ。

「……ごめん、久遠くん」

私のワイシャツを脱がした彼に、涙目になりながら謝罪をすると、久遠くんはいつものように困った顔をした。

「な、なに。なんだよっ、なんで泣くんだ、美和子っ……」

「だって私、多分、その……全然、大したことないから。久遠くんのこと満足させてあげられないかも……」

露になったふたつの胸を、手のひらで抑えて隠した。彼は目を大きく開く。

「チッ」

すると久遠くんは舌打ちをして、またすぐに私の唇を塞いだ。今度は息が苦しくなるほど強引なキス。

それと同時に、体を隠していた腕も久遠くんに掴まれ、そのままパッカリと開かされた。そこに彼は沈み込んで密着してくる。

恥ずかしくてジタバタとストッキングの脚を動かすと、久遠くんはその二本の脚を、彼の脚で押さえ付けてきた。

「そうやってまた煽りやがって、知らねえぞ俺はっ……!」

キスの合間に、余裕のない声でそう告げられた。

「なに、それっ……」

「俺はお前しかいらねえって言ってんだよ、美和子。いい加減疑うのはやめろ。……もう何年も、お前だけが欲しくてっ……」

「んっ……」

髪入れずに、強引なキスが続いた。
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