ハツカレ、ハツカノ。
「あっ、ごめん、ありがとう。助かった」
「割と注目の的だったから」
「浴衣で座れる場所って貴重だったんどけど、移動して待つ。ごめん」
お礼の意味をこめてもう一度頭を下げて、それから改めて周囲をみると一緒にいたあの子がいない。
「崎口、ひとり?」
「いや、バスケ部のみんなと。買い出しではぐれた」
それでも焦っている様子がないのは、連絡がついているのだろう。
「そっか。じゃあ、私もう少し彩加達待ってみるから、」
と、言いかけたところでスマホを取り出そうとして、ふと、巾着袋の中に見当たらない。
がさがさと手元を探る私に崎口が怪訝な顔をした。
「何してんの?」
「…スマホ忘れた、かも?」
「はあ?ばかじゃねえの」
「そういえば、充電してから持ってきた記憶ないや」
彩香とはスムーズに待ち合わせできたし、特に連絡することもなかったのできづかなかった。
「まぁ、ここにいればそのうち帰ってくるから」
こればっかりはどうしようもない。
自分の忘れ物だし…
同じ場所に座ろうとすると、崎口が怪訝な顔をした。
「さっきので、割と目立ったけど、それでもいるの?」
「…居辛い、けど。でも、番号と覚えてないし公衆電話ってわけにも、」
「小林と一緒にいんの?」
ひとつため息をついてスマホを操作し始める。
「もしもし?今そこに宇野いる?ちょっとかわって」
その手があったかと思ってから、はっと気がついて崎口の手に飛びつく。
「あ、待って!小林にかわって!」
スマホを奪うと、電話の向こうの小林は、何事?と不思議そうな声を出している。
「ごめん、スマホ忘れてたみたいで、通りがかりに助けてもらったの。それで、私ちょっと合流難しそうだから彩香と2人で花火見て?で、花火終わったらちゃんと送って帰って」
絶句したのかなにも言わない小林をいいことに、私は人の電話ということもあり幕したてるように続けた。
「いい?彩加1人にしたり、泣かしたら許さないから。振られようが何しようがちゃんと送ってね」
言い逃げるように電話を切ると、崎口が呆れ顔でその様子を見ていた。
「割と注目の的だったから」
「浴衣で座れる場所って貴重だったんどけど、移動して待つ。ごめん」
お礼の意味をこめてもう一度頭を下げて、それから改めて周囲をみると一緒にいたあの子がいない。
「崎口、ひとり?」
「いや、バスケ部のみんなと。買い出しではぐれた」
それでも焦っている様子がないのは、連絡がついているのだろう。
「そっか。じゃあ、私もう少し彩加達待ってみるから、」
と、言いかけたところでスマホを取り出そうとして、ふと、巾着袋の中に見当たらない。
がさがさと手元を探る私に崎口が怪訝な顔をした。
「何してんの?」
「…スマホ忘れた、かも?」
「はあ?ばかじゃねえの」
「そういえば、充電してから持ってきた記憶ないや」
彩香とはスムーズに待ち合わせできたし、特に連絡することもなかったのできづかなかった。
「まぁ、ここにいればそのうち帰ってくるから」
こればっかりはどうしようもない。
自分の忘れ物だし…
同じ場所に座ろうとすると、崎口が怪訝な顔をした。
「さっきので、割と目立ったけど、それでもいるの?」
「…居辛い、けど。でも、番号と覚えてないし公衆電話ってわけにも、」
「小林と一緒にいんの?」
ひとつため息をついてスマホを操作し始める。
「もしもし?今そこに宇野いる?ちょっとかわって」
その手があったかと思ってから、はっと気がついて崎口の手に飛びつく。
「あ、待って!小林にかわって!」
スマホを奪うと、電話の向こうの小林は、何事?と不思議そうな声を出している。
「ごめん、スマホ忘れてたみたいで、通りがかりに助けてもらったの。それで、私ちょっと合流難しそうだから彩香と2人で花火見て?で、花火終わったらちゃんと送って帰って」
絶句したのかなにも言わない小林をいいことに、私は人の電話ということもあり幕したてるように続けた。
「いい?彩加1人にしたり、泣かしたら許さないから。振られようが何しようがちゃんと送ってね」
言い逃げるように電話を切ると、崎口が呆れ顔でその様子を見ていた。