きみが虹を描いてくれた青空の下で
そんな下校する生徒たちの自転車が車道の端を走ってて、車が思うように進めない。
プチ渋滞。
母親と話すこともないから、窓ごしに、ぼうっとその制服姿を眺めたり、校舎のほうを見たりしてた。
でもみんなみごとに黒髪だなーって思った。
八起くんのあの髪色、並の茶髪じゃないから、っていうかほぼ金髪だったから、相当目立つだろうなぁ。
不良、なのかな?
別に、関係ないけど……
そんな風に外を見てたら、急に雨が降りだしてきた。
あー、お天気雨だ。
歩いていた生徒たちがきゃーきゃーと賑やかに駆け出す。
「雨降ると自転車がよけい危ないのよねぇ……」
ぼそりと迷惑そうに呟いた母親が更に速度を緩める。