きみが虹を描いてくれた青空の下で
「そう、ですね」
私、家から出なかった時期が長いから、知らない人とこうして話すなんてハードルが高すぎる。
「どこへ行くの?」
「え、っと、め、明高まで……」
「まあ、生徒さん? じゃないか。制服だもんね、あそこ」
「知り合いが、通ってて、その、用があって……」
カミカミで、もう消えてしまいたくなった。
カーっと首が熱くなって、自分の心臓の音が大きくなってくる。
やばい、この感じ。
パニックになりそうな自分を感じて、余計に呼吸が乱れたその時。
「青春ねぇ。おばちゃんにもね、あなたと同じくらいの子がいるのよ。これから会いに行くんだけどね、啓成まで」
啓成……八重ちゃんがいる病院だ。
ってことは……