弱虫リフレクション【短編】
気付けば足は外へ向いていた。
追いかけていいのかなんて、そんなこと考える必要は初めからなかった。
全部俺の責任だから、俺が、追いかけないといけねーんだ。
「南都……」
捜して、捜して、捜しまくって、ようやくその姿をこの目で捉えることができた。
もう辺りは薄暗くなっている。
祭りも始まったんだろう。
歓声のようなざわめきが、遠くのほうから微かに聞こえてきていた。
「……」
ブランコに座っていた彼女は、俺の顔を一瞬見て、そして直ぐに目線を逸らした。
暗がりでも、その目が赤く腫れていることがしっかり確認できる。
嫌われてもいい。
……や、もう既に嫌われてるか。
でもそれは自業自得。
けど、このままじゃいられないから。