弱虫リフレクション【短編】


意味がわからなかった。


ワタシガスキナノハ、ナリタクンジャナイヨ?


その時彼女の口から放たれた声は、すぐに言葉として頭に入ってこなかった。

ようやく理解出来たのは、約1分後。


「えっと……成田じゃない?」

「う、うん」


なんだよそれ。


じゃあ俺が感じた南都の視線は、表情の変化は、ただの気のせいだったっていうのか?


なんてあほらしい。

勘違いしてあんな酷い事言って。

今すぐにでも思いっきり自分を自分でぶん殴ってやりたいくらいだ。


……って、ちょっと待てよ?

“成田じゃない”っつーことは、いるにはいるってことだよな、好きな奴。

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