弱虫リフレクション【短編】
「それってもしかして、俺の知ってる奴?」
「そ、その……」
「まさか、玉木か!?」
「ち、違っ」
「ごめん、そんなの言いたくないわな」
おい俺、何焦ってがっついてんだよ。
これじゃあさっきの繰り返し。
学習能力0かっての。
……でも、いったい誰なんだ?
成田でも玉木でもない。
だとしたら……。
どこのどいつだよ、そのくそ羨ましい奴!
「その人はね」
……っ。
激しい脳内会議の最中、ポツリと落とされた声にハッと意識を取り戻した。
目に映った柔らかな表情。
丸くて大きな瞳は、そっと地面に伏せられている。