踏みだして、いつか【短編】


その日、外は息を吐けば白くなるほどの寒さだった。



買い出しの帰り道。

一人、かじかんだ手をそっと合わせる。


「寒ぃ……」


そんな僕の小さな呟きは、冬の空に静かに溶けていった。


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