交際の条件

毎月あった電話も 半年に一度になり、一年に一度になり、いつの間にか かかってこなくなった。


母が家を出て以来、俺は一度も母に会っていない。

どこで暮らしているのか、誰といるのか、生きているのか死んでいるのか、何も知らない。




その後、中学生になった俺は クラスメイトの女子に誘われ初めてセックスを経験した。

好奇心もあったが、どこかで母の温もりを求めていたのかもしれない。



高校の時も、大学の時も、数え切れないほどの女と遊んだ。


時には 日替わりで抱いたこともあった。


だがそれは、あくまでも身体だけの関係。

決して心を開くことはない。


深く愛することが怖かった。



私の人生を返して!



そう言われることが怖かった。
< 24 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop