交際の条件
毎月あった電話も 半年に一度になり、一年に一度になり、いつの間にか かかってこなくなった。
母が家を出て以来、俺は一度も母に会っていない。
どこで暮らしているのか、誰といるのか、生きているのか死んでいるのか、何も知らない。
その後、中学生になった俺は クラスメイトの女子に誘われ初めてセックスを経験した。
好奇心もあったが、どこかで母の温もりを求めていたのかもしれない。
高校の時も、大学の時も、数え切れないほどの女と遊んだ。
時には 日替わりで抱いたこともあった。
だがそれは、あくまでも身体だけの関係。
決して心を開くことはない。
深く愛することが怖かった。
私の人生を返して!
そう言われることが怖かった。