交際の条件
美加とは、社会人になった今でも付き合いがあった。


俺の女性遍歴の中で、唯一、複数回 寝ている女だ。


理由は簡単。

身体の相性が合うから。


ことセックスに関してだけ言えば、これ以上 互いの欲求を満たしあう相手に 俺は いまだかつて出会ったことがない。


それは美加も同じ気持ちだと思う。


それだけ、互いの身体のことは知り尽くしていた。



俺と美加のことをよく知る友人は『いっそのこと、結婚すればいいのに』と口をそろえて言う。


美加自身も、俺の嫁さん候補に一番近いのは自分だという意識をもっているにちがいない。


だが俺は、美加とは結婚しない。


理由は簡単。

性格の相性が最悪だから。


一言でいうと、美加はキツイ性格。

俗に言う、可愛げのない女。


昔から負けず嫌いで、自分の意見は譲らないタイプだ。


俺も基本的には わがままな性格。


自分の意見は譲らない。


こういう二人が一緒にいると、ろくな事にはならない。

他人が見れば笑ってしまうような些細なことでも、喧嘩の元になってしまう。



だから一緒には なれない。



あの性格に幻滅してしまう男は、俺だけではないと思う。


美加が、いまだ独身なのがそれを物語っている。


一晩、一緒に過ごすくらいなら我慢できるが、一生続くとなると話は別だ。

結婚した場合、おそらく一週間と もたないだろう。


カラダ良し、性格良し、そういう相手はなかなか いるものではない。


だからこそ、恋愛は難しい。
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