私の隣の腹黒王子。
私の隣の席。
今日は、とてもいい天気。


暖かい風に乗りながら、
残り少ない桜の花びらが散ってゆく。

私は頬杖をしながら、
窓の外を眺めていた。




窓側の一番後ろの席って、暖かいから、
すぐに眠たくなっちゃうんだよね。


今さっきから、
重たいまぶたを頑張って開いてたけど
もう無理そう…



まぶたの重力に負け、
閉じようとしたとき──




「立花さん!」

甲高い耳に響く大声で
私の名前を呼ばれた。





「は、はい!」


私は返事をし、
名前を呼んだ人物へと
体制を整えて顔を向ける。


反射的に返事をしたので、
声が裏返った。


「何ボーッとしてるんですか!
次。あなたの番ですよ!」


顔を向けた先にいる、
40代くらいのおばさn…担任教師が
厳しい口調で言った。




険しい顔されてますが、
眉間にシワ寄ってますよ。

そう言いそうになったが、
喉の奥へと飲み込む。



いかんいかん。つい口に出すところだった。
もしも言っちゃったら、
シワがひどくなっちゃうよね。




それよりも、『あなたの番ですよ』って
言われたけど、何の番なんだろうか?




疑問に思いながら、周りを見渡す。

すると、まだ見慣れないクラスメイトたちが
私に注目していた。





あ。そういえば自己紹介タイム中でした。

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