私の隣の腹黒王子。
入学してから登校初日の今日。

初めの一時間目は、
一人ずつ自己紹介をすることになっていた。




どうやら私がボーッとしていた間に、
私の番が来たようだった。


「すみません!」
そう言って、勢い良く立ち上がる。



「えっと、立花美鈴です。
東中から来ました。今さっきのように、
ぼーっとしてしまうときがありますが、
よろしくお願いします!」

自己紹介の内容など考えてなかったので、
勢いで言った。

そして、ペコッと礼をしたあと、
勢い良く座る。




我ながら、
意味のわからない自己紹介をしたと思う。


なんで自己PRのときに、
ぼーっとしてしまうというアピールを
してしまったの〜!

とっさに言ったにしても、
そこは一年の抱負だったり、
自分の好きなものを言うところでしょう!




自分の馬鹿な行いを、冷静に振り返って、
自分の顔がどんどん熱くなっていくのを感じる。





周りを見てみると、皆から穴が開くほど見られていた。

多分、初日から先生に注意され、
意味のわからない自己紹介をした
私を馬鹿だとでも思ってるんだろう…





斜め右前の男子に至っては、
凝視するほど私を見ている。



うん。視線が痛いです。




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