わたしのキャラメル王子様
背中があったかい。
なんていう包容力と安心感だろう。
ほらね、悠君はがっついたりしないんだもんね。



幸せな気持ちで二度寝をしようと目を閉じたとき、背後から優しく髪を撫でられていることに気がついた。



その手は頬に触れて、耳たぶをつまんで、まるで何かを確かめるみたいに肩から背中、腰のほうへと滑っていった。



「キャー!!!」



「あら、珍しい。何しても起きない子なのに」



飛び起きたらママが私のベッドに寝てた。



「なんで!」



「なんでって、あっちでママ沙羅ロスになっちゃったから帰宅早めたの。パパももう大丈夫そうだし」



「……沙羅ロスって」



ママは私を驚かせてやろうと早朝に着くよう帰って来て、最初に私の寝顔を確認しに来たらしい。私が口を開けて爆睡しているのを見たら、小さい頃のことがよみがえってたまらなくなったんだとか。



おっきくなったわぁ、って確認してひとしきり感動していたら私に悲鳴をあげられた、と。



「もう、びっくりさせないでよね!」



「いいじゃん親子なんだから、ママ沙羅に会いたかったぁ!」



むんず、と抱きしめられた。
こうされてみると、厚みやまるっこさが悠君と全然違うのに、さっきはおもいっきり勘違いしちゃった。悠君、おばちゃんなんかと一緒にしてごめんね。



にしても、悠君がベッドにいなくてよかった!
焦った~!



約束しといて、いないのが若干複雑な気分だけど。それについては学校できっと話してくれるよね。
私達、ちゃんと付き合ってるんだよね。

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