わたしのキャラメル王子様
「ねぇ、日本とニューヨークの時差ってどのくらいなんだろう?」



もたつく手でスマホを探る。
早く教えてグーグル先生!



「バイトが終わる深夜、向こうの学校は始業時間みたいです。もしかしたら、あっちの講義を受けてたのかも。ネット授業かな」



グーグル先生より、後輩の方が親切だった。



「でもさ大学に入るまでには、まだだいぶ時間あるよね?」



「大学に入るための準備期間は迫ってるって考えることもできますよ」



「つまり、そのうち転校しちゃうってこと?」



「編入、または高校留学っていうんです。そういうの」



「私にはそんなこと一言も教えてくれなかったのに」



悠君は近いうちにあっちへ行ってしまうってこと?



「いつ行くとか聞いてない?なんで私に内緒にしてたのかな」



私を抱きしめたときの悠君の切ない表情が甦って、目の前が真っ暗になった。

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