わたしのキャラメル王子様
「いつ行くかって、先輩何も聞いてないんですか?うちのバイトの契約が明日までになってたから私ビックリして……そのことを聞こうと思って今だってここにいるのに、先輩がここまで何も知らないとは思いませんでした」



「す、すみません……」



美少女の毒舌……パンチ重っ!



「でもさ、明日までっていうのは勘違いなんじゃない?見間違いじゃない?」



「……でも先輩、あっちの入学時期が年に2回あるって知ってます?」



「2回もあるの?普通4月だけじゃないの?」



思わず咲田さんに詰め寄ってしまった。さっきから変な汗ばかりかいている。



「うちの親戚は入学期に合わせて留学したんです。ちなみにシーズンは1月と9月でその子は9月に渡米したから、もしかして佐野先輩もキリのいい時期に行くのかな……なんて思ったりして」



「9月って、今月じゃん」



今月どころか、残り3週間もない。
体育祭の準備も始めなきゃねって、話したばかりなのに。バスケの大会だってある。それなのに行くわけないよね?



芸術祭は一緒に回ろうって、中間テストの勉強だって一緒にできるって思ってたのに。
それなのに2学期に、それもまさか今月中に行っちゃうなんてあり得ない。



「咲田さん、ど、ど、ど、どーしよう!」



「どーしようって、先輩ほんとに何にも知らなかったんですね。幼なじみ以下じゃないですか?」



「これでも一応カノジョに昇格したんだよ?悲しいくらいに部外者扱いだけど」



美少女に、すんごい呆れ顔をさせてしまった。

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