わたしのキャラメル王子様
「あなたみたいなのに負けたんですね、私」
「みたいなの、って」
最初から挑戦的だったけど、すごい女王様感たっぷりで腰が引けちゃう。彼女は、ほんとに悠君のことが好きなんだって、痛いほどに伝わってくる。
「正直、自分の何が先輩に劣るのかさっぱりわかりません」
「だ、だよね~」
確かにスリーサイズから育ちから容姿まで、何もかもどう考えても私の方が負けてる。
「だけど、沙羅先輩の話をしてるときの佐野先輩は、すっごく楽しそうなんです。悔しいけど、私そんな先輩もとことん好きでした」
「そ、そうなの?」
咲田さんは、吐息みたいなため息をついた。
「どんなにつきまとっても嫌な顔ひとつしないくせに、どこまで付いてきたって俺が好きなのは沙羅だけだよ?って譲らなくて。絶対どんな手を使ってでも振り向かせてやる、って泣いたりすがったりしてみたけど、全然動じなくて。
こんなにばっさりフラれるのなんて初めてで清々しいくらい。未練も何も残ってないですよ」
「……悠君そんなこと言ってたんだ」
なんてハズカシイ奴。
でも……なんで泣きそうになるんだろう。
もうずっと、胸が苦しい。
「みたいなの、って」
最初から挑戦的だったけど、すごい女王様感たっぷりで腰が引けちゃう。彼女は、ほんとに悠君のことが好きなんだって、痛いほどに伝わってくる。
「正直、自分の何が先輩に劣るのかさっぱりわかりません」
「だ、だよね~」
確かにスリーサイズから育ちから容姿まで、何もかもどう考えても私の方が負けてる。
「だけど、沙羅先輩の話をしてるときの佐野先輩は、すっごく楽しそうなんです。悔しいけど、私そんな先輩もとことん好きでした」
「そ、そうなの?」
咲田さんは、吐息みたいなため息をついた。
「どんなにつきまとっても嫌な顔ひとつしないくせに、どこまで付いてきたって俺が好きなのは沙羅だけだよ?って譲らなくて。絶対どんな手を使ってでも振り向かせてやる、って泣いたりすがったりしてみたけど、全然動じなくて。
こんなにばっさりフラれるのなんて初めてで清々しいくらい。未練も何も残ってないですよ」
「……悠君そんなこと言ってたんだ」
なんてハズカシイ奴。
でも……なんで泣きそうになるんだろう。
もうずっと、胸が苦しい。