わたしのキャラメル王子様
下に降りてキッチンに立ったらご飯の準備はまだまだできてなかった。とりあえず下ごしらえだけやっとけばいいかな。



「悠君じゃがいもの皮むける?」



「ニンジンならピーラーでやったことあるよ」



「ニンジンじゃなくてじゃがいもね。ちゃんと芽とか取るんだよ」



「芽?なんか強敵じゃん。デコボコを制すってことでしょ」



「なんとかって毒素があるんだって。ちゃんと取らないとお腹壊すんだよー、みんなが」



ちょっと大袈裟に言ったら、根が真面目な悠君の顔つきが変わってきた。



「そんなの責任重大じゃん!でもあっちでも独り暮らしだから簡単な料理はできるようにならないとな。こっちではかなり甘えちゃってたし」



やる気に火をつけたかな?なんて思ったのもつかの間。
悠君はごそごそ。
全然関係のないところを漁りだした。




「ねぇ、それっぽいこと言いながら冷凍庫あけてるじゃん。先にアイス食べようとしてるでしょ!」



「バレたかぁ」



まぁまぁ、と口のなかにピノを入れられて、私だけ赤くなってるのがなんか悔しい。



「ねぇ、裏蓋に占いあるよっ!」



あげるなんて言ってないのに雪見だいふく勝手に開けちゃってるしさ。人の話やっぱり聞いてないしさ。おまけの占いとか真面目に読んじゃってるしさ。

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