わたしのキャラメル王子様
「まだそこのコンビニにいたんだ。沙羅から電話きて、ピンチみたいだから来ちゃった。はいこれママにお土産」



「やだ、白熊!さすが悠君、ママの好みわかってる!」



「でしょー。褒められちゃった」



「沙羅はどうせ数学の宿題かなんかでしょ、わざわざごめんね。悠君が行っちゃったらあの子宿題一人でやれるのか不安だわぁ」



「大丈夫、ちゃんと予習しとくから」



トントントンといつもの足音がしてる。
部屋のドアを開けるとすぐそこに、悠君がいた。



「来たほうが早いかなって」



「まだ近くにいたの?」



「うん、タイミングよかったね」



笑っちゃった。悠君てあれこれ考えるよりほんとにカラダが先に動いちゃうタイプなんだよね。



「もしかしてさ、さっきの電話うるさかった?ごめんね、一人で決められなく……て?」



部屋に入るなり後ろからぎゅうって。
いきなりすぎて、心臓が破裂しそう。



「お風呂あがりの濡れ髪いいね」



「ひゃあ!」



首筋に息が、ふ、ふれてます!



「デートの服に悩むとか可愛すぎるからやめて?」



「か、かわいい?」



「うん」



普通に肯定しちゃったよ。



「だってね、考えてみたら私、悠君の好みとか全然知らないなって思って。ワンピひとつにしたっていろいろだしさ。服……クローゼットから出していい?」



「うん、いいよ」



「あのぉ、いっかい離れよっか?」



「やだ」



「くっつき虫だ?」



「うんそれ」



離してって言ってるのにさらにぎゅーってしてくる悠君のが、全然可愛い。


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