わたしのキャラメル王子様
「呼吸困難?確かに苦しいや」



ケラケラと笑ってるけど、苦しいのは私の方だよ。



もういっそ、このまま悠君が遠くへ行っちゃえばいい。
なんて。



月明かりの下で、悠君のすぐそばで
心にもないことを思ってしまった。









「というわけで、しばらくママは家を開けますので」



「なになに、どーいうこと?」



それは私達が帰宅して
3人で食卓を囲んでいるときのことだった。



「おかわり!」



「だから、パパがあっちでギックリ腰やっちゃって、身の回りのことが大変なんだって」



「おかわりっ!」



「だからってさ、私のこと置いてっちゃうの?」



「あんた意外としっかり者じゃない」



「だからってさー」



「……自分でやるからいいですっ!」



今は悠君のおかわりどころじゃない!
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