わたしのキャラメル王子様
「えーなんで知ってんの?」



悠君は平然とたまごサンドをもぐもぐ。



「ね、可愛い子?」



「うん、1年だって」



うん。って
可愛いって言った。
思いがけずショックがおっきい。



「でも断るよ、実は俺フィアンセがいるからね」



「悠君それ……初耳なんだけど」



「うそじゃん」



驚きのあまり詰め寄ってしまった。
そっか、親同士が決めた子がいるんだ。
たぶん、あっちに。



悠君のパパは向こうで立ち上げた会社が危うくなって、戻ることを決めたと聞いていた。



その後経営は安定したらしいけど、会社の重役である大人の世界にはきっと私達にはわからないいろいろがあるんだろう。



悠君も中学までは行ったり来たりしてた。
考えてみれば向こうでの悠君の生活や交遊関係を、私はなんにも知らない。
元カノやフィアンセがいても
なんにもおかしくないんだ。



「昨日うちのクラスに珍しく来なかったよね?それはなんで?」



「あぁ、それ?まぁ、行けない日もたまにあるよ」



私の代わりに聞いてくれた京ちゃんの手を握った。



アイコンタクトで「聞いてくれてありがとう。ストレートすぎて目ん玉飛び出そうと思ったけどほんとありがとう」そう伝えた。



それからまたひしし、と京ちゃんの手を強く握って再度アイコンタクトで伝える。



「悠君今、答を誤魔化したよね?ね?」って。



そんな私はもちろん涙目。

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