わたしのキャラメル王子様
「悠君、これちゃんと分量計ったの?レシピとかあるの?」



降りていってキッチンの様子を伺ったら、スケールなんかのそれらしい調理器具がどこにもなかった。



「何言ってんの?甘党O型男子の完全感覚派クッキングにレシピなんかあるわけねーだろ、うりゃ!」



「クッキーってそんなに叩きつけるものだっけ?」



「違うの?じゃあ、優しくもみもみか。しくった!」



生地を伸ばしたらそれらしく見えたけど、型抜きはどこ?



「生地ねかして、そのあと型抜きでしょ。型で抜いて焼くんでしょ」



私でもそれくらい知ってるのに。



「沙羅ってA型だっけ?」



「うん、だからその作り方にムズムズしっぱなしなんだけど」



そう答えたら目をキラキラさせて悠君は私を見た。



「やっぱりそうかぁ。AとOが相性バッチリっていうのは事実だったか」



赤くなってモジモジしてこのイケメンは……中学生なの?



「それに沙羅になんかあったら俺の血分けてあげられるってことだ。どーしよう、感激」



「なにそれ。私はあげられないの?」



ちょっと不安になってしまった。
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