わたしのキャラメル王子様
リビングのテレビがついていることに気がついて、悠君はなぜだかひどく納得した顔をした。



「あー、もしかして見ちゃったの?あれの予告」



私のすぐそばまで来て屈み込むとそう言って苦笑した。
それにうんうん頷くので精一杯。もう泣きそうなんだもん。



「あれネットでも予告怖すぎって話題になってたんだよ。うちのクラスでもみんな騒いでたもん。最後暗転するやつだろ?でもあそこに映るのはテレビを見てる自分の影なんだよ。ね、ネタバレしちゃえばさ……」



悠君は頭をタオルで拭きながらふっと表情をゆるめてため息をついた。



「やっぱ怖いか」



「……こわ、こわかったぁぁぁ」



「だいじょぶだって。こうなると思ったから俺今ここにいるんだし」



「え?」



思いがけない言葉にビックリした。



「ちっちゃいときから沙羅は怖がりだったもんな。心霊番組なんかうっかり見たらパニックだったじゃん」



「そんなこと、覚えててくれてたの?」



「あたりまえでしょー。ね、だから一緒にカレー食べよカレー。お腹と背中がくっつくぞー」



悠君……。
頭よしよししなくていいから早く服を着てー!
< 50 / 156 >

この作品をシェア

pagetop