恋愛取扱心得
4 この車両は女性専用車両です
気づいたら朝だった。
「おはよ〜百合華」
「おはよう。って え?ありがとう」
朝ごはんを作ってくれてた。
最近会ったばっかりだけど、わたしが求めてた"幸せ"ってこういうことなのかな?
「これ食べてみて。この前韓国に帰った時にお母さんが作ってくれたキムチ」
本場のキムチ!?これは期待大!
パクッ
「お、おいしいね(焦)」
想像していたのとはかけ離れていて、めちゃくちゃ酸っぱかった、、
幸せな時間はあっという間で黒マスクも学校に行くし、わたしも16時から仕事だったのでバイバイした。
「잘가…」
黒マスクと付き合って1週間、既に日本人と感覚が違うって言うか簡単に言うとしんどくなっていた。
「ヒーーローー聞いて」
いまは駅の休憩所で休憩中。その駅で働いてるヒロも偶然いた。
「彼氏できた♡」
「おぉ。おめでとう!ちゃんと薬指見て来たか?」
「うるさい。もう既婚者は好きになりません!!!」
「ヒロはどうなん?そういえばヒロから浮いた話聞いたことないよな」
「俺は、好きな人おるっちゃおるよ…」
一瞬遠い目をしたが、浮かれてるわたしは気づかなかった。
このタイミングで運転士さんが帽子を被った。くそぅ もう行く時間か…
「その話また聞かせて!!じゃ、また」
慌てて乗務カバンを持つ。