恋愛取扱心得
仕事終わりに黒マスクと会うことになった。いつものように慌てて職場でシャワーを浴びて化粧を直す。
うん、完璧。
「お疲れ様でした〜お先に失礼します」
すれ違う先輩方に挨拶をする。
その中に王子もいたが今日は仕方がない、時間がないから。
薄暗い通路を小走りで抜けた先に黒マスクが立っていた。
身長180cmくらいかなぁ?黙っていたらかっこいい。話すと、日本語がつたないせいでどうしても可愛くなってしまう。
「百合華〜!会いたかった〜」
いきなりの抱擁。こういう所も日本人ではないのである。
「やめて。会社のおっさんに見つかる噂回るのびっくりするくらい早いねんから!」
「はーい。」
口では言いながら離してくれない。とにかく早く退散したくて、そのまま歩き出した。
わたしの職場から黒マスクの家までは電車で25分程の距離。