恋愛取扱心得
2 駆け込み乗車はおやめください


「扉が閉まります。ご注意ください

『駆け込み乗車は〜おやめください〜
扉しまります〜危険ですので黄色い線までお下がりください〜扉しまりま〜す』


駅員がキレている。これも毎日の光景。



プシューーーーーー


おばあちゃんが乗り遅れたが仕方ない。閉めれる時に閉めないと、キリがないのだ。


駅員に合図をもらい
自らも車側の安全を確認し、一旦深呼吸。

気持ちは分かるが、駆け込み乗車は本当に厄介。

どうしたら無くなるか考え、ゴムの部分をカッターの刃に変えたらいいのでは?と真剣に思ったのでもう末期。



電車が発車する。
さっきのおばあちゃんはこっちを睨みつけながら固まっている。何か言いたげだ。


すれ違う瞬間、「いじわるーーー!」
と言われた。



2分遅れてる電車に乗れなくて文句言うなよ。もともと乗れるはずなかった幻の電車やねんから。


とは、お客様に言えるはずないし一瞬なのでとりあえず頭を下げた。


各駅で駆け込み乗車があったり、タラタラ降車したりでどんどん電車が遅れる。

「到着が4分程遅れました。申し訳ございません…」


ーー今日謝るの、何回目?





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