シンデレラは脅迫されて靴を履く


「兄貴!!」



室内が静まり返る。




「ふ、副社長…?」



「深桜!探したぞ!」


ガシッと肩を掴まれ揺すられる。

「ふ、副社長?と、とりあえず落ち着いてください!」


「やぁ、雅爾。どうしたんだい?」


「どうしたもこうしたも、深桜の様子を見にいったら社長室に呼ばれたって言うから、気が気じゃなくて来たにきまってるだろう?!

深桜!なにもされてないか?この腹黒俺様男に!」



いや、それは貴方も一緒ですから。
腹黒俺様男さん。



「今日の事のあらましを話していたんだ。急な辞令だったからな。九条君も驚いているだろうと思ってね」


お仕事モードの鷹尋さんに淡々と言われ、冷静になったのか雅爾さんは小さく溜め息をついた。


「社長…とりあえず、うちの秘書は返してもらいますよ。
では。…行くよ、九条君」

「はい、副社長」


一礼して社長室を出る。


グイっ!


< 12 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop