シンデレラは脅迫されて靴を履く
「兄貴!!」
室内が静まり返る。
「ふ、副社長…?」
「深桜!探したぞ!」
ガシッと肩を掴まれ揺すられる。
「ふ、副社長?と、とりあえず落ち着いてください!」
「やぁ、雅爾。どうしたんだい?」
「どうしたもこうしたも、深桜の様子を見にいったら社長室に呼ばれたって言うから、気が気じゃなくて来たにきまってるだろう?!
深桜!なにもされてないか?この腹黒俺様男に!」
いや、それは貴方も一緒ですから。
腹黒俺様男さん。
「今日の事のあらましを話していたんだ。急な辞令だったからな。九条君も驚いているだろうと思ってね」
お仕事モードの鷹尋さんに淡々と言われ、冷静になったのか雅爾さんは小さく溜め息をついた。
「社長…とりあえず、うちの秘書は返してもらいますよ。
では。…行くよ、九条君」
「はい、副社長」
一礼して社長室を出る。
グイっ!