シンデレラは脅迫されて靴を履く
「…着替えて参ります」
荷物を抱えソファーから立ち上がる。
これ以上、このピリピリとした空気に耐えられない!
慌てて専属秘書室に飛び込む。
「バレちゃった…逃げてしまおうかしら。
はぁ~…着替えよう…」
身に付けていたものを脱いで息をのむ。
「え…ちょ、ちょっと待って…まさか雅爾さん…」
下着の状態と太腿を伝い落ちるもの…
膝から崩れ落ちた。
カチャ…
「逃がさない。という俺の決意表明だ…」
ゆっくりと振り返る。
「雅爾さん…」
「やっと見つけたぞ。灰かぶり姫…」
開けられたドアに背を預け、腕を組んで立つ男。
東宮グループ本社 取締役副社長
東宮 雅爾
不本意ながら私の幼なじみ。
そして、私の婚約者…