シンデレラは脅迫されて靴を履く
「早速だが、コーヒーを淹れてくれるか」
「…はい、かしこまりました」
「荷物はデスクに置いてきなさい」
そう言い、雅爾さんは仕事に戻る。
副社長室には応接室と専属秘書室が扉で仕切られ置かれている。
パタン…
はぁ…
溜め息をつき、デスクに荷物を置き、専属秘書室に完備されているミニキッチンに立つ。
「あら?」
棚の中には私の好きな紅茶の銘柄。
相変わらず気障ね…
私は持ってきた荷物の中から、コーヒー豆を取り出す。
ガリガリと豆を引き、お湯を沸かす。
「時間掛かりすぎって怒られるかしら」
コポコポとお湯を注ぐ音と一緒にコーヒーの香りが部屋に広がる。
その時…
ガチャ!!
「深桜!!」
「え?」
ぎゅ!!