シンデレラは脅迫されて靴を履く


「早速だが、コーヒーを淹れてくれるか」


「…はい、かしこまりました」


「荷物はデスクに置いてきなさい」


そう言い、雅爾さんは仕事に戻る。

副社長室には応接室と専属秘書室が扉で仕切られ置かれている。

パタン…


はぁ…


溜め息をつき、デスクに荷物を置き、専属秘書室に完備されているミニキッチンに立つ。



「あら?」

棚の中には私の好きな紅茶の銘柄。

相変わらず気障ね…


私は持ってきた荷物の中から、コーヒー豆を取り出す。
ガリガリと豆を引き、お湯を沸かす。


「時間掛かりすぎって怒られるかしら」


コポコポとお湯を注ぐ音と一緒にコーヒーの香りが部屋に広がる。

その時…



ガチャ!!



「深桜!!」

「え?」


ぎゅ!!


< 6 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop