シンデレラは脅迫されて靴を履く


スケジュール調整を終え、1階下の秘書室に戻り、一息つく。


「はぁ~…」


溢れでるのは溜め息ばかり。


「先輩、先輩、今日のお昼どうしますか?
社食じゃなくて、久しぶりにランチしに行きましょうよ~
気になるカフェ見つけたんです!」

「美嘉ちゃん…」

「ね!先輩いきましょうよ~」


癒される。
小動物系というか、癒し系というか、とにかく美嘉ちゃんは可愛い。


「しょうがないわね~」

「やった!
浅野くーん!先輩行けるって~!」


「あら、浅野くんも一緒なのね。私、お邪魔じゃない?」


美嘉ちゃんはきょとんとする。
二人は我が社きってのキュートカップルで人気だ。


「ランチに行くお約束?私もいいかしら~」


「如月さん!すみません!煩くて」

「いいのよ、気にしないで?」


にっこり笑う赤い口紅が似合うキャリアウーマン。
如月 杏佳
私のトレーナーだった先輩で、秘書課課長。

気取ったところもなく、お局なんてどでもない!と皆が口を揃えるくらい素敵な女性だ。

課長に昇進してからは重役たちにはついていない。
なにげに個性的な秘書課秘書室のメンバーを支えてくれている。
ちなみに、室長と同期だ。


「課長!ぜひご一緒に!」


美嘉ちゃんがきゃっきゃ騒いでいる。

本当に可愛いな~


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