16の、ハネ。
でもここ最近は誰かさんのお陰で、気兼ねなくその誰かさんと話をすることができている。
その誰かさんに、私は自然と目を移した。
君だよ、君。
電車内に貼ってある、中学入試の問題集の広告と戦っている君のことだよ。それ、超難関校の問題じゃない。なに意地張っちゃってんの。
それは置いといて。
君に会ってから、少しだけど毎日が楽しいなって思えるようになった。
君と話すと、気持ちが忙しい。
まるで、電車の車窓から見える景色がどんどん変わるかのように。
そんなことを心の中だけで、そっと伝える。