16の、ハネ。
と、これで一件落着かと思いきや……。
「あのぉ、スンません。ちょっと変なこと聞いちゃうンですケドぉ」
さっき、コソコソと話していた人たちのうちの1人が来た。
おねがいだから、やめて。
その先は聞かないで。何も、言わないで。
私の本当の姿。
陽人には、知られたくないの。
もしかしたら、私の様子がおかしかったから、気づかれてるかもしれないけど。
それでも、確信されたくないから。
私は、天久音羽で、いたいの。
「そこの子って、もしかして『氷川音羽』さんデスカ?」