16の、ハネ。


その願いが届いたのだろうか。


私の右腕を誰かがグイっと引っ張った。

「いくぞ」


辛くて、怖くて、俯いてしまったそのとき。



また、陽人が私を助けてくれた。



「……ん」

私は小さく、だけど精一杯の思いで頷く。


陽人が美香ちゃんに「ちょっと待っててな」と一言声をかけて、私たちはその場を後にした。







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