小悪魔カレシの甘い罰


 ロールブラインドの奥で2人で何をしていたのかと、あらぬ妄想が浮かんで動揺した。
 
 午前中は話しかけるなとスタッフには言っていたのに、女は別なのかと美桜は怪訝な顔をする。


「下まで送っていくよ」

「ありがと」

 くすっと美女が微笑む。


 司と女の艶っぽいやりとりに、スタッフは閉口していた。

 誰もが見て見ぬふりをしているあたり、これが日常茶飯事なのだろうか。



「あ、司…あのさ」

 美桜たちの前を通り過ぎるとき、スタッフが控えめに話しかけた。

 ここを逃したら、納期を過ぎてしまう。


「チェック要るんだけど…」

「……」

「…ひっ」

 呼び止められて振り向いた司の目の鋭さに、一同の背中が凍りつく。

 司はスタッフに一瞥をくれると、


「あとで」

 と、低い声を放った。


 すると女の背中に手を回し、出口へと促す。



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