小悪魔カレシの甘い罰
そう言われると、このチーム決めが、いよいよ合コンじみてくる。
「やっぱり後輩の私たちからお願いしに行くべきなのかな?」
美桜は考え込むように言った。
周りは少しずつ組みが出来はじめ、まだ決定していない者はややそわそわし始めていることは雰囲気でわかっている。
「とはいえ、どの先輩がどんな人かとかわからないしねぇ」
志保は割と楽観的に構えているようだ。
最後まであぶれたら、空いている先輩の所に回されるだろうと思っているらしい。
それは、ある程度の実績を重ねているからこその余裕のように感じられた。
卒業論文や制作で、プロジェクションマッピング制作経験があるだけの美桜には、そこまでの余裕はない。
初めから後れを取ってしまうのではという妙な焦りがあった。
「まぁ、お互いあぶれたら一緒に誰かのとこに行こうよ」
飲みかけのお茶を持って立ち上がる志保は、やりかけの研修課題があるからと先にカフェを出て行った。
一人になった美桜は手作りのお弁当の残りを口に運ぶ。