小悪魔カレシの甘い罰
「やべ、全然ついていけないんだけど…」
それは同期も同じようだ。
理解が追い付けず、ただ瞠目するばかり。
司は1人だけ別の世界で、プログラミングに没頭している。
彼の思考のスピードに誰もついて来れない。
すさまじい集中力を見せつけられて唖然とする。
ものすごい熱量で作業をしているはずなのに、司の横顔には、無機質で温度がなかった。
それが恐ろしいほど整っていて、ロボットが文字通り機械的に動いているようだった。
これが皆が憧れる天才プログラマーなのかと驚嘆した。
司が美しいコードを奏でるたびに、美桜の心の奥に不思議な熱が生まれる。
とうてい敵わない才能を、羨望の眼差しで見つめている自分に気が付いた。
司の新たな一面をまた発見して、より深く興味を抱く。