小悪魔カレシの甘い罰
チーム結成
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「これ猫…いや、牛か」
「それ馬なんですけど」
「動き変じゃね?」
「X座標増加して、表画面に反映…と」
昼下がりのオフィスで、同期が頭を並べている。
美桜も真剣な面持ちでその輪に混ざっていた。
研修6日目を迎え、仲間たちと課題に取り組むことになった。
今日はゲームプログラミングで、無料オンラインゲームサイト用のものを制作している。
内容は脳トレのようなもので、それほど複雑ではなかった。
動物の画像を複数動かし、どの動物が一番多いか当てるタイムアタックのゲームだ。
「ちょっとイメージとちがうなぁ」
メインで作業をしていた1人が嘆く。
どこでミスをしていたのかと皆で首をひねっていると。
「あ、司さん」
通りがかった司が、足を止めてこちらを見ている。
口元にはまたキャンディーをくわえ、感情を持たない目でパソコンを眺めていた。
その視線に気づいた仲間たちは、緊張した面持ちで声をひそめた。