小悪魔カレシの甘い罰
「どうする? 司さんに聞いてみようか」
「え、こんな簡単なコードも書けないのかって思われないかな」
そんなことを口々にする同期の中、美桜はじっと画面を見つめていた。
背後に現れた司にも、今はあまり気を払っていない。
そんな美桜は、ぽんと手を叩き、
「あ、わかりました」
「え?」
その言葉に一同は目を丸くする。
「裏画面をループごとに消去しなきゃ。画像が上書きされてるんですよ」
「あーなるほど」
素早くミスを見つけた美桜に、感心した声を上げる。
「すごいな長浜、早い対応」
「いえ、偶然というか…」
これは昨日、司のプログラムを見て学んだことだった。
昨夜も帰宅してから、タブレットに書き込んだ司のコードを起こし勉強していた。
恐ろしいほど時間はかかったが、理解できない箇所を調べているうちに、自分の犯しやすいミスにも気づかされた。
「なんでわかったの」
「え?」
背後から司の声が響いた。